運営
下谷オフィス
社会学者・キュレイターの山本唯人が台東区下谷のシェアアトリエrebootを拠点に運営する研究室です。
本サイトは私的目的の閲覧にお使いください。
無断での加工・転載・メディアでの利用などは不可とします。
[趣旨]
ウエブサイト「東京都平和祈念館アーカイブズ」を開設します
―原爆の図丸木美術館「特別企画 藤井光 爆撃の記録」と交差して
ウエブサイト「東京都平和祈念館アーカイブズ」URL
https://tokyopeacemuseum.amebaownd.com/
原爆の図丸木美術館「特別企画 藤井光 爆撃の記録」会期 5月1日~6月13日
https://marukigallery.jp/4261/
原爆の図丸木美術館に「特別企画 藤井光 爆撃の記録」を見に行ってきました。
キセイノセイキでの展示に比べて。
スペースも小ぶりで、構成も一見ガラッと変わって見えますが、底には変わらないメッセージが流れています。
巨大連作絵画、「原爆の図」の部屋の隣で。
いま、ここでしか見られない、「爆撃の記録」ver.2が誕生したと思いました。
この作品をより深く鑑賞するために。
作品の背景にある「東京都平和祈念館」計画について、ウエブサイト上に、個人でアーカイブズを開設してみました。
展示期間限定で更新していきます。
下から2番目の年表から上方向にスクロールすると、この「実在した計画」の経緯をたどっていただけると思います。
一方、「爆撃の記録」が表すのは「博物館の不在」です。つまり…「そこにないもの」、願われても、「実現しないもの」を、それでも想像してみること。
記録のアーカイブズと、記録の消失した地点から始まる美術作品と。
この2つのものを、行ったり来たり、自由に交差させて、「爆撃の記録」のメッセージをより深く受けとめられるように。
あえて美術館の外側に、もう一つの学びの場(サイト)を設けてみました。
学びのスタート地点は「爆撃の記録」を見ることです。
緊急事態宣言下ですが、幸い美術館は展示を維持し続けてくれています。
もう少し収まってきたら、何人かで見学会を企画するのもいいかもしれません。
会期は6月13日まで。
展示を見て、よければ感想を語り合いましょう。
その声に耳を傾けるところから、
わたしたちの願う「博物館」の構想を再開できればと思います。
2021.05.12
藤井光「爆撃の記録」 於原爆の図丸木美術館 2021.05.07 写真 なかのゆか