『東京都平和記念館基本構想懇談会報告』(1993年6月)

『東京都平和記念館基本構想懇談会報告』

作成 東京都企画審議室
発行年 1993年
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 東京都平和記念館基本構想懇談会は、1992年6月、東京都平和記念館の建設に関する基本的な事項を調査検討するため、知事の決定で設立された(座長 永井道雄)。1993年6月の報告で、設置の意義、基本的な性格、資料等の展示、資料・情報の収集・提供、普及活動、施設の構成と規模、設計と建設の留意点、立地条件と建設候補地、管理運営・名称など、構想の基本となる枠組みを定めた。

 この報告は、当時の都議会のすべての会派の代表が参加してまとめたものであり、「戦争の惨禍を語り継ぎ、都民一人ひとりが平和の大切さを確認する拠点」「都民の平和への願いを世界に向けて発信する拠点、つまり東京の平和のシンボル」という2つの「設置の意義」、および、「東京空襲の犠牲者を悼み、都民の戦争体験を継承すること」「平和を学び、考えること」「21世紀にむけた東京の平和のシンボルとすること」「平和に関する情報のセンターとすること」という4つの「基本的な性格」は、のちの議論の土台になった。

 資料等の展示については、①東京空襲と都民の戦争体験、②戦争の歴史、③平和の脅威となっている諸問題、④平和に関するメッセージという4つの「主な内容」が挙げられた。

 報告では、「中央区佃の大川端特定市街地総合整備促進事業地区内の一部」が候補地として提案された。「平和祈念館」という名称もこの報告で提案された。

東京都平和祈念館アーカイブズ Tokyo Peace Museum Archives

5月1日、原爆の図丸木美術館で展示「特別企画 藤井光 爆撃の記録」が始まりました。 「爆撃の記録」は、1999年に計画を「凍結」された東京大空襲の博物館「東京都平和祈念館」を題材に、記憶を受け継ぐことの困難と可能性を問いかける作品です。本サイトでは、作品の背景である「東京都平和祈念館」に関する資料と、作品をめぐる反応を、会期中限定でアップします。 写真:旧江戸湊から佃、隅田川河口方面を見る